2016年9月12日月曜日

和歌山県高野口での田んぼの生きもの探検隊



青紋糸蜻蛉(アオモンイトトンボ)

菊月子守蜘蛛(キクツキコモリクモ)、菊月は9月、9月に子守しているから菊月子守蜘蛛。春に子守をするのは卯月子守蜘蛛。

霞亀虫(カスミカメムシ)の仲間。黄緑色が美しい。

筋赤走蜘蛛(スジアカハリシクモ)の幼齢体。オレンジ色が美しい。



ウスバキトンボは、世界中の熱帯から温帯域に棲んでいる。旅をするトンボで、かなり華奢な軽量の体で、グライダーのように風をつかまえて、長時間・長距離飛行ができる。毎年春になると南日本から成虫が発生する。南西諸島や九州、四国では4月中旬に飛び始めるが、本州南部では5〜6月、中部山岳地帯や東北地方では7〜8月、北海道では9月というように発生時期が徐々に北上する。8〜9月頃には、日本各地で大群で飛び回る様が観察できる。

ウスバキトンボはよく食べる。メスの成虫で1日に約14mgの小昆虫を食べる。これは体重の約14%にあたり、小昆虫に換算し約185匹分となる。メスの成虫の蔵卵数は約29,000は、ほぼ同体長のノシメトンボの蔵卵数約8,800の3倍以上。十分に摂食しているメス成虫が1日に生産できる成熟卵は約840個。産卵数が多いため、急増し、よく目立つ。卵から孵ったヤゴは約1ヶ月で成虫になる。日本に殆ど土着せず、東南アジア・中国大陸・シベリアから渡ってくるトンボはウスバキトンボ以外にも多くの種類があるが、他種はひと夏の間に個体数を急増させることはまずない。

ウスバキトンボは寒さに弱く、ヤゴは水温4℃で死滅する。季節がめぐるのと共に、数回の世代交代を繰り返しながらウスバキトンボは北へと向かい、南に戻ってくるものは発見されていないので、北へ向かった群れは、寒さで死んでしまうことになる。日本では九州南部なら越冬しているヤゴもいるのではないかと推測されているが、くわしいことは確認されていない。



①水生昆虫(成虫):2種類
チビゲンゴロウ・芥子肩広アメンボウ

②水生昆虫(幼虫):7種類
双葉蜻蛉の幼虫・谷地ハエの仲間の幼虫・チョウバエの仲間の幼虫・双葉カゲロウの幼虫・
背筋ユスリカの幼虫・ボウフラ・ヘビトンボの幼虫"

③トンボの仲間(成虫):3種類
塩辛トンボ・薄羽黄トンボ・青紋糸トンボ

④トンボのヤゴ:3種類
塩辛トンボのヤゴ・糸トンボの仲間のヤゴ・ウスバキトンボのヤゴ

⑤陸生昆虫(甲虫):1種類
紅縁テントウムシ
⑥カメムシの仲間:3種類
細縁カメムシの仲間の幼齢虫・姫縁カメムシの仲間・霞カメムシの仲間

⑦ウンカの仲間:4種類
褄黒ヨコバイ・鳶色ウンカ・背白ウンカ・ヒゲ長油虫の仲間
⑧アブ・ハエ・蚊の仲間(成虫):2種類
水虻の仲間・背筋ユスリカ

⑨蝶・蛾(成虫):2種類
褄黒黄チョウ・アゲハチョウ
⑩蝶・蛾(幼虫):3種類
セセリチョウの仲間の幼虫・筋紋ヒトリガの仲間の幼虫・背筋スズメガの幼虫
⑪その他昆虫:1種類
草カゲロウの幼虫

⑫クモ類:6種類
優形脚長クモ・菊月子守クモ・八ツ星姫クモ・赤胸姫クモ・
黄腹子守クモ・筋赤ハシリクモの幼齢体"

⑬鳥類:1種類
アオサギ

⑭両生類:3種類
ヌマガエル・トノサマガエル・ヌマガエルのおたまじゃくし

⑮魚類:2種類
ドジョウ・カワムツの稚魚

⑯貝類:5種類
タニシ・物洗い貝・逆巻貝・淡水シジミ・平巻水マイマイ

⑰その他生きもの:3種類
ダンゴムシ・トビ虫・並ウズムシ

以上

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